絵は、覗くものだった。
江戸のなかば、遠近法を大胆に取り込み、絵の奥へ奥へと視線を誘う
「浮絵(うきえ)」という摺物が流行しました。
当館は、その続きを空想する架空の美術館です。
額の前で、そっと視点を動かしてみてください。
版と版のあいだに、風が通ります。
空、海、宿場。いちばん奥に貼られる大きな版。視点と逆へゆっくり動く。
雪、花弁、蛍、雨。版と版のすきまに棲む、動きつづける粒子の版。
波がしら、枝、軒先。白い紙を透かして、いちばん手前に浮かぶ版。
当館の版木はすべて、ローカルComfyUI(Z-Image Turbo / Wan 2.2)にて摺られています。
近景の版は白地で摺り、館内で紙の白だけを透かし取って重ねています。
六点の奥行きを、すべて覗いていただけましたか。
帰り道、ふと立ち止まった景色が、少し立体に見えたなら幸いです。