SPACE MEMORIAL SERVICE — STELLAWORKS
さよならは、夜空の約束になる。
このページを昇るごとに、高度が上がっていきます。
どうか、ゆっくりと。
The Journey
お預かりするのは、指先ほどのカプセルにおさめた遺灰と、よろしければ、声をひとこと。全長四センチ、重さ二十グラムの、いちばん小さな旅立ちです。
二十時三十分、南の射場から。
the departure — 8:30 p.m.
打ち上げの夜は、ご家族を射場の丘へご案内します。空へ伸びていく光を、いちばん近くで。
高度一〇〇キロメートル。
the Kármán line — where sky becomes space
空が宇宙に変わる境界線。ここを越えた瞬間から、あの人は「星」と呼ばれます。
それから三年、地球のそばを周ります。
three years in orbit, watching over us
高度四〇〇キロの周回軌道。九十分でひとまわり——あなたの街の上を、一日に十六回、通ります。
月を選んだ方は、もう少し遠くへ。
to the moon — 384,400 km
月周回軌道は、時間の流れが止まったように静かな場所。満月の夜、そこにいます。
いちばん遠い旅は、四・二光年。
to the sea of stars — 4.2 light-years
深宇宙探査機に相乗りして、太陽系の外へ。人類が届いたことのない場所で、あたらしい星のそばを漂います。
How to Return
周回軌道 3年 → 大気圏
三年のあいだ地球を周り、最後は流れ星になって還ってきます。降る夜と方角は、前もってご家族にお知らせします。願いごとの準備を。
月周回軌道 — 384,400 km
月をまわる静かな軌道に、眠り続けます。ご家族には月齢カレンダーをお渡しします。満月の夜は、月のふちを目でなぞってください。
深宇宙 — 4.2光年の彼方へ
深宇宙探査機に相乗りし、太陽系の外へ。もう地球からは見えません。けれど、たしかにどこかを飛びつづけています。もっとも遠い眠りです。
The Night of Falling Stars
アプリ「ホシミル」が、あの人のいまの位置を教えてくれます。頭上を通る時刻の通知、流星還りの降る夜の予報、そして封入した声を、もういちど。
三年目の冬、父が流れた夜。
the night father came home
流星還りの最後の夜は、ご家族だけの流星群。空のどこを見ればいいか、私たちが必ずお伝えします。
Voices
「父は毎週金曜の二十一時すぎ、ベランダの上を通ります。息子は手を振ります。葬儀のかたちとしてではなく、暮らしのかたちとして、父がいます。」
「満月を見るたび、あそこにいるんだと思えます。悲しみが消えるわけではないけれど、行き先がわかっているというのは、こんなに違うものなんですね。」